東京五輪の開催は延期、中止、予定通り!? 延期の可能性が高い理由
世界的な流行が続き、 7月24日から開催される予定の夏の東京五輪ですが、暗雲が立ち込めています(選手の最終エントリーは7月6日)。
はたして開催はできるのか、中止なのか、はたまた延期なのか、考察していきたいと思います。
個人的な結論
まず、個人的な結論からいうと「延期が濃厚、中止の可能性も排除できない、予定通りの夏の開催はほぼ不可能」と推察します。
一方、選手のことを考えると、東京五輪は何とかして行ってほしいとも思います。 4年に1度の五輪を目指している選手が多くいます。 それが8年後になるというのは、あまりに大きな時間的な損失でしょう。ですが、何より健康を優先にするのは当たり前のことでもあります。安全面がクリアできなければ、当然ですが開催すべきではありません。
日本の立場としては、東京五輪を開催できないと大変な経済損失が見込まれます。 開催地に立候補した時、国民の多くはそれほど興味がないか、どちらかといえば消極的な人も結構いたかもしれません。 しかし、お金がかからない五輪を目指すと言う運営委員会の言葉もあり、国主導で進んできました。 ですが、8千億円でできると言われていましたが、実際は3兆円かかっていると言われています。 結局、税金が使われているので、最終的に国民に不利益がかぶさってきます。
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本題に入ります。
2月の頃は、日本政府もIOCも、とかく「予定通りに開催する」という言葉一色でした。 しかし、3月に入りニュアンスもだいぶ変わってきています。 決断の期限は4月いっぱいとも5月とも言われています。
「今年の秋くらいまでの開幕の微調整はあり得る」 「延期なら年内が最も現実的で、具体的な対応策」
国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長
「中止は議題にない」と強調する一方で、「もちろん違うシナリオは検討している」と初めて延期を視野に入れた発言 東京五輪「年内延期」が急浮上
なぜ年内延期説が出てきたかというと、調整がしやすいからだそうです。 しかし、秋から冬となるとアメリカの四大スポーツ、欧州サッカーなどと重なるので視聴率に影響します。 そのため高額な放映権を支払うテレビメディアが反対する可能性が高いとされます。
巷で言われている1年、2年の延期論は調整の難しさ、リスクの高さがあるそうです。 1年後であれば世界陸上(8月、世界水泳(7月と日程が重なり難しいです。 2年後だと冬季・北京五輪(2月やサッカーワールドカップ(11月がありますが、夏であれば重なりません。 また、病気の流行がいつ終息するかも見通しは立っていません。
これらを踏まえると、延期であるならば2年後が有力と推察します。
「アスリートが十分に練習できていない状況での開催は、アスリートファーストではない。延期すべき」
日本の理事からもこういう声があがっています。 日本では延期や中止など声をあげられない雰囲気になっているでしょうが、勇気ある発言だと思います。 柔道の試合でも山口さんはとてもいい解説をしている方ですね。
日本だけでなく、延期を求める声が各国から上がり始めました。
(米の水泳連盟) 「スイマーは常にレースを望んでいるが、世界的な健康危機の中で推し進めることは正しくない」 「40万人のメンバー、多くの五輪王者のリーダーとして、選手のために声を上げるよう強く求める」
(米五輪委の回答) 「選手がストレスや不安を感じていることには完全に共感する」 「国際オリンピック委員会(IOC)や国際パラリンピック委員会(IPC)とは絶えず連絡を取り合っている。懸念は明確に伝える」
「世界規模でしっかり終息するまで、東京五輪を開催すべきではない」 ノルウェーが東京五輪の延期要請 今夏開催に異論相次ぐ
「彼にとって大きな決断。難しい状況だ。彼は、我々にどうするか決断していないと話した」
トランプ大統領が「安倍首相は(G7で)我々に(東京五輪を)どうするか決断していないと話した」
「われわれは、IOCと同様に選手たちの健康と安全を懸念している。(病気)の状況が世界的に確実に終息するまで、東京オリンピックは開催するべきではない」
「世界的に終息するまで…」 ノルウェーも東京五輪開催延期を要請
世界中で日々、心地よくないニュースが流れている。開幕まで残り四カ月で公平な条件の下、選手が五輪まで到達できない 「東京五輪延期すべき」
このように五輪延期論はニュースを探すとたくさん出てきます。 さいわい、延期論が多数ですが、中止の可能性はあるのでしょうか?
「国際オリンピック委員会(IOC)はちゅうちょすればするほど、危機の進行と医療機関の破綻に加担する。強制停止こそ責任ある行動で、それ以下の措置は全て怠慢だ」
ちなみに安倍総理も「予定通りの開催」と言っていましたが、
「完全な形」の東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの開催について「規模は縮小せずに行う。観客も一緒に感動を味わっていただくということだ」と説明
「予定通り」五輪開催すると言っていた安倍首相「完全な形」に…「延期論」拡大
とニュアンスが変化しており、延期の可能性が強まった印象があります。 この発言自体は色々な取り方があるでしょうが…。
別の視点から見ると、
代表選考に関わる大会の中止や延期が相次いでいて、東京大会で行われる55競技のうち、合わせて67%にあたる37の競技で、日本選手の選考に影響が出ている
日本だけでなく、世界の代表選考という点で見ても現時点では50%にも達していません。そういう中、3月、4月はすでに多くのスポーツイベントが中止に追い込まれています。 例えばATP男子プロテニスツアーであれば、6月7日まで大会はすべて中止or延期が決まっています。
このような現状では、代表選考の公平性も担保できず、バドミントンの女子選手などからも不公平だという声が上がっています。現状でも選考の大会の中止が続いているので、代表選考に不公平な状況はすでに発生しています。
最後にやはり流行がおさまっていなければ、世界各国から人々がやってくるわけで、開催地である日本の安全性が心配されます。 大会後に大きな流行が起きる…などというのは、避けなければなりません。
色々と書いていきましたが、夏の開催はほとんどないと思われます。 延期が有力ですが、実際のところ・・・では、いつにするのか、ということを決めるのも難しいのが事実です。
こうしてみていくと、中止の可能性も検討される可能性があるのではないかと感じました。すべては、今の流行がいつおさまるか…にかかってきますが、落ち着くまでに年単位を擁する可能性もあり、東京五輪に大きな影を落としています。