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サッカーW杯2022アジア最終予選 観戦記

ここまで日本は1勝2敗。
第1試合ホームとのオマーン戦にまさかの0-1で敗退。
格下、ホームでの初戦敗退という衝撃がおそった。
そもそも、短期決戦(全10試合)での、最初の試合は1勝以上の重みがある。
2勝、いや下手すると3勝くらい価値がでてくるのだ。
ということは、負けた場合も、同様である。
負けることで単純に星勘定が厳しくなると言うのもあるが、
出鼻をくじかれることで勢いがでず、自信がゆらぐのだ。

その影響もあり、第2試合、差をつけて勝てそうな中国相手になんとか1-0で
勝つのがやっとだった。中立地カタールでできたのが大きかったし、この勝利で
立て直すチャンスを得ることができた。

そして、勝負の第3試合、アウェーでのサウジアラビア戦。
序盤、最大の山場である上位との2連戦だ。
W杯に直接出るためには2位にはいらなければならない。
すなわち、トップにいる豪州、サウジアラビア、どちらかをたたいて、
うわまわらなければいけないのだ。
ここまで、森保監督の采配、交代などのチームマネジメント、偏った選手起用に
疑問が投げかけられていた。
しかし、ふたをあけてみれば、2試合までの流れと変わらず、スタメンをみて
若干、脱力感があった。
試合は拮抗したが、日本は攻撃チャンスを多くはつくれず、3試合スタメンのCF
大迫は2度ほどあった決定機を決められなかった。
さらに、やはり3試合スタメンの柴崎は、前の2試合もあまり安定しなかったが、
この試合では集中力を欠いたプレーやボールロストが目立った。
だが、引っ張ったせいで、決定的なパスミスから終盤に失点し、敗退につながった。
この負けにより、森保監督は次戦で進退がかかるビックマッチにしてしまった。
なにより、次戦で負けるとW杯ストレートインである、2位以内というのが
ほぼ絶望的になり、3位プレーオフをオマーン、中国と争うことになる。
この2チームも日本同様1勝2敗である。

守備は安定しているが、深刻なのは連動性も積極性もない攻撃である。
ここにてこをいれなければならい。
そのためにはメンバーを変えるか、システムの変更が必要だ。

進退がかかる豪州戦、森保監督は4-2-3-1から舵を切り、4-3-3を採用した。
すなわち

南野 大迫 伊藤
守田 遠藤 田中
長友 富安 吉田 酒井
権藤

という形になった。
4戦目、アウェーでたたかう首位、豪州からしてみれば、引き分けもOKという考えもあっただろう。
入りは様子見、どちらかといえば受け身だった。
しかも、日本は初採用の3ボランチである。
対策もできていなければ、戦いにくかっただろう。

一方、追い込まれた日本代表は、入場からして覇気が違っていた。
気合がはいっていた。目の色がかわっていた。
追い込まれているのである。
国歌斉唱の時、森保監督が感極まり涙しているのには衝撃をうけた。
色々なサッカーの試合だけでなく、他のスポーツもみているが、
試合前に泣いている監督を初めてみたからだ。
これは、揶揄もされるだろうが、感情が見えないよりはずいぶん良いだろう。

このように異様な状況で始まったが、日本は入りから強襲、猛攻をしかけ、
これがはまった。
初出場の田中が、南野のクロスをうけて、見事にゴールしたのだ。
この1点はあまりにでかすぎた。
これを決めるのと、外すのでは、すべてが違っていたかもしれない。
それぐらい、大きかった。
そして、それを決めた田中はまさにシンデレラボーイであり、新世代の象徴になるだろう。
とはいえ、彼は五輪からとても目立っており、活躍していたので、
早くに使う声は多かったのだが。
ともかく、土壇場に追い込まれた日本代表が、かつてないアグレッシブさで攻めたのである。
豪州は後れをとった。
加えて、3ボランチは守備だけでなく、攻撃もできる才能ある選手だ。
遠藤のボール奪取力はずばぬけているし、田中の攻守におけるセンスも光っていたし、守田もバランスよくたたかっていた。
この3人がエネルギーの原動力になった。
今まで守備に負われていた攻撃のサイド、南野、伊藤が積極的に攻撃がしやすくなった。
南野は1点目の見事なアシストをきめたし、伊藤は果敢な前のアタックで、もっとも効いていた。
加えて、サウジ戦では攻撃がほとんどできなかったサイドDFの長友などは何度も攻撃に参加してていた。
つまり、攻撃の連動、アグレッシブさ、守備の安定と、今までの課題をこの試合では克服していたのである。
これは、森保監督の采配が的中したのであり、見事だった。
なにがなんでも、監督を変えろと言うのは正しくはないだろう。

試合の方は後半に入り盛り返した豪州、疲れがでてきた日本、嫌な時間帯にFKを
決められてしまった。
今までの3試合だと、ここでメンタルが落ちて劣勢になり、焦って失点するか、
ずるずる押し込まれるかだったが、交代した古橋、浅野らが攻撃を続けることで、
踏ん張ることに成功した。
すると、40分過ぎ、一番相手にダメージがあり、一番点を取りたい時に浅野のシュートが、
オウンゴールを招いた。

やっぱりサッカーはシュートをうつべきなのだ。
シュートを打てば、何かが起きるのである。
それを導くのは何よりアグレッシブさである。
無論、無謀にいけというわけではない。

このように今までと違い、すべてが良い方に転がったのである。
それは、気合の入り方だったり、気持ちだったりするのだ。

なんだかんだで最後は気持ちがものをいうんだな、と思わせられる試合だった。

この勝利で日本は勝ち点6とし、まだまだ険しいが、上位2位の可能性を残した。
悪かった潮の流れが変わった試合であるのは間違いないだろう。
というのも、アウェーではあるが、これからはベトナム、オマーン、ホームで中国と
戦いやすい相手と3連戦ができる。
ここで勝てば勢いにのれるだろう。
むろん、3位争いのオマーンとのアウェーは大一番だ。

とにかく、今までにない攻撃のアグレッシブさ、連動性が多くみれ、
チームの方向性や、主軸メンバーにめどがついてきたのが何より大きいだろう。

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