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錦織とジョコビッチ トップの壁にぶつかる錦織 王者が示す頂点への道

nishikori-Djokovic錦織圭

錦織とジョコビッチ

チャンが授けた前に出るテニスで、トップ10の壁を破り、飛躍を遂げた錦織。しかし、そこで待っていたのは、ジョコビッチらライバルたちに研究され、得意のラリーの展開に持ち込めずに敗北するという大きな壁でした。

錦織はマイケル・チャンと共に、さらなる進化をめざし、特訓を始めることになりました。

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トップの壁にぶつかる錦織 王者が示す頂点への道

nishikori-Djokovic

 si.robi/ Marianne Bevis

2015年シーズンは、トップ選手が対策を練ってきた…

マイケル・チャンは語っています。

「トップ選手が辛いのは、研究され、あっという間にライバルに知られ、対策が練られてしまうことだ。だから、常に成長し続けないと、トップ選手ではいられない」

2015年の全豪OPでは、準々決勝で当たったスタン・ワウリンカが錦織の前に出るテニスに対し、明確な対策を立ててきます。錦織のフォア側、ベースラインにボールを集中させ、錦織を外に出すことに成功したのです。この結果、錦織は体勢を崩して、得意のストロークで主導権を握れなくなりました。

また、マドリード・マスターズの準決勝で敗れたマレーとは、以前に練習をする機会がありました。この時、マレーは錦織との練習を録画して、データ会社に綿密なデータ分析をさせます。マレーは錦織のリターンに対する傾向を把握し、勝負所でコーナーを狙ったサービスで攻めてきて、錦織を崩すことに成功しています。本格的に錦織は研究され、トップ選手に勝てなくなってきたのです。

このような状況に、錦織も苛立っていました。

錦織「ラリーが続くと、得意パターンに持って行ける。リターンできなかったり、ラリーが続かないと、光が見えず厳しくなる」

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マイケル・チャンとの新たな特訓

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このような状況に対し、マイケル・チャンが新たな対策を始めました。

まず、サービスのリターンの反応をあげるため、通常より前からサーブをリターンする特訓です。チャンはとにかく、形にこだわらず、リターンをして、ストロークの展開に持ち込むことの重要性を強調しています。

そして、もう一つの特訓が、壁と結んだゴムを腰に巻き、重心を低くするというものです。これにより、外に出された時に、体勢を素早く立て直したり、崩されるのを防ぐ目的があります。また、足腰を鍛えることも重点的に行っています。この先、その成果が見られ、トップ選手に勝利することはできるのでしょうか…!?

2015年のジョコビッチとの戦い

IMG_2782 / Marianne Bevis

錦織は2015年のBNLイタリア国際(マスターズ)の準々決勝で、ジョコビッチと対戦しました。当然ながら、ジョコビッチは全米OPでの敗北の辛酸を再びなめないようにと、念入りな研究に余念がありませんでした。

くしくも、ジョコビッチのコーチであるボリス・ベッカーは、現役時代のマイケル・チャンのライバルでもありました。ベッカーもまた、錦織にマイケル・チャンを重ね合わせるところがあるようです。

ベッカーは「錦織は相当やっかいだ。最高のライバルの一人として入念な対策を立てた」「ああいう、あきらめないタイプに、ストロークで主導権を握られると危険だ。しかし、ベースラインから1m後ろに下げることができれば、危険ではなくなる」「サーブは唯一、自分から始めることができるので、作戦が立てやすい」「錦織は自分の得意な体勢で、ショットを打つことを好む傾向にある」と語っています。

この試合でジョコビッチは、最高で95回転/秒にも及ぶサービスを放ってきました(錦織は77回転/秒)。回転をかけることで、スピンがきいて、ボールは1m88cmという高さまで弾みました。錦織はベースラインを下げざるを得ずに、第1セットはとられてしまいます。

しかし、第2セットになると、錦織はベースラインの前に出てサービスをリターン。これにより、打点が最高点に到達する前に打つことに成功しました。反撃を開始した錦織が第2セットを取ります。

それでも、王者であるジョコビッチは、さらに対策を練ってきたのです。ジョコビッチはあえて自分はベースから下がり、錦織を前で打たせることにしました。ただし、ストロークをコートの中央に集め、角度をつけたショットを打てなくしたのです。

錦織は得意の前に出るラリーで主導権を握るも、なかなかフィニッシュにいけません。すると、ジョコビッチが突然、錦織のバック側にボールを打ち、錦織が返すと、意表を突くドロップショットを放ったのです。リズムを完全に崩された錦織は、対応することができませんでした。ジョコビッチは、錦織が一定のリズムでストロークを打ち続けることで、勢いに乗ることを逆手に取ったのです。

ジョコビッチ「テニスはまばたきをする0,5秒の間に状況が変わる」

結局、錦織はこの後、1ゲームも取れずに敗北しました。 チャンは、トップ4の壁にぶつかる錦織に対して、アドバイスを語っています。

「ジョコと圭の差は、実はそれほど大きくはないと思っている。自信の差が出ているんだ。圭には全米でジョコビッチを破った時のように、もっと自信をもってほしい」

そして、ジョコビッチもまた、王者としての素直な意見を語りました。

「大切なのは敗北をどう受け止めるかどうかだ。私も飽きるほどの敗北と失敗を繰り返してきた。肝心なのは、敗北を目標へと向かう次への道しるべと、とらえることができるかどうかだ。すべては心の持ち方次第なんだ」

一方、錦織はこの敗戦の日々を、次へのステップだと認識し、「新たな挑戦が楽しみだ」と語っています。錦織の頂点への旅はまだ続くようです。

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